常識にとらわれないデッキ構築講座〜vol.07「不可避のコンボスキル」

 

現環境では汎用性が高く、効率的にダメージレースを有利に進められる駒がトップメタに多く君臨している。

 

逆に専用デッキを作ってあげないと、使えない駒は、出た当初こそお試しで使われるが、すぐに淘汰され姿を消す事がほとんどである。

 

 

だからこそ、そこに見落としが生まれる。

その見落としを掬い上げ、認識の外から剣を突き立てるのがクソデッキである。(かっこいい)

 

 

どんなに小さな可能性でも、いや小さな可能性だからこそ、私は見落とさないように努めている。

その事がクソデッキへと繋がるのだ。

 

 

 

で、長い間見落としてた事がある。(ガバ)

 

最も対処しづらいコンボスキルの存在についてだ。

 

コンボスキルはオセロニアというゲームにおいて非常に重要な要素である。

実質的な2回攻撃を行えるコンボスキルは戦況を一変させ、勝敗を分かつことも少なくない。

 

対処しづらいコンボスキルは、それだけ攻撃回数を(擬似的に)増やすことができ、勝利を手繰り寄せやすいのである。

 

 

では、「最も対処しづらいコンボスキル」。

 

このフレーズで思い浮かべるのはどの駒だろう。

 

ファヌエル、先手ロスカ…?

確かに対処は難しいが、コンボ封印などでどうにか出来る(可能性がある)。

 

 

今回の駒のコンボスキルは完全なる『不可避』。

コンボルート確立からコンボ成立まで一切の割り込みを許さない。

なので厳密には「対処しづらい」ではない。

 

「対処できないコンボスキル」なのだ。

 

対処できないコンボ…

なんと素晴らしい響きだろうか。

 

 

しかし、そんな駒は本当に存在するのか。

 

YES.

確かに存在する。

 

 

その駒の存在はみんな知ってる。

そしていつでも手に入れる事が出来る。

ただ「見落としてる」だけなのだ。

 

 

今回はこの駒が主役だ。

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○1.コンセプト

時限召喚は自分のターンにコンボルートが生まれるため、相手に一切割り込まれる事なくコンボを発動する事が出来る。

ヘルヴィナ(シュヴェイン)は更にそのコンボスキルがヴァイセ並の火力を持っているのだ。

 

発動すればどんなB駒もヴァイセとなり、全ての駒がフィニッシャーになる。

 

 

ヘルヴィナの力はそれだけに留まらない。

 

実はファヌエルやロスカのコンボスキルの強さは防ぎにくさの他にもう1つある。

それが、ひっくり返すことによるディスアドバンテージである。

 

コンボを防ぐためにひっくり返す。

しかしひっくり返すとダメージレースで不利になる。

どちらに転んでも苦しい展開になるのが奴らのいやらしさだ。

 

シュヴェインのスキルは通常ダメージの90%カット。

閉店間際のヤケクソセールでももうちょっと思慮があるだろうと思わせる程のカット率はダメージレースをグッと有利にしてくれる。

 

コンボの防ぎにくさ、強力さ、アドバンテージ。

これらはファヌエル、ロスカと比べても遜色ない。コンボを繋ぐ駒を選ばない点ではより強いとも考えられる。

 

つまり、ヘルヴィナは環境トップのファヌエルやロスカと同等以上のポテンシャルを持っているのだ。

 

 

刺せるっ・・・

認識外からの刃っ・・・!(cv.立木文彦)

 

 

かくして、「ヘルヴィナデッキ」の構築が始まった・・・

 

○2.構築

ヘルヴィナを使う上で、最も重要な事は「7ターンの時限をどう達成するか」である。

 

盾、回復、妨害などで粘るのは常套手段だが、もう1つ時限の達成に貢献できるスキルがある。

 

それが「ヘイスト」だ。

 

ちょうど1年前のひな祭りでヘイストスキルが実装されたのを覚えているだろうか。

その後、ヘルヴィナと一緒にストラクチャーパックに入り、直後のカップ戦の報酬にもなった。

 

現在は運営のおもちゃ箱で混乱やチャージと一緒に眠ってたヘイストを叩き起こしてデッキに入れてみた。

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ヘイストを理想的なタイミングで打てば、楽々ヘルヴィナ発動はするものの、ヘルヴィナが発動してからヘイストが颯爽と手駒になだれ込んでくるとストレスで寿命が23日ほど縮む感覚を覚える。

また、ヘルヴィナが発動したとしてもなかなか削りきれず負けてしまうこともしばしばあった。

その為、序盤のダメージソースとしてポーリュプスを編成したみたが、噛み合わない感じは拭いきれなかった。

 

 

今まで、ヘイストについてあまり深く考えずに編成していたが、いい機会なので少し考えてみることにする。

 

 

編成しているA駒のヘイストはいずれも時限ターンを2ターン早めるものである。

盾や回復などで1ターン粘るより2ターン進められるヘイストは一見2倍ヒアソフィアに見える。

 

しかしながらライフの動きに着目した時、それは誤りであることに気づいた。

 

 

ヒアソフィアの最も重要な役割は、相手の攻撃回数を1回減らしこちらがその間に2回(コンボスキルや継続ダメージを使って更に多く)ダメージを稼ぐことである。

 

 

ヘイストは単に時限のターンを縮めるだけなので、時限発動までの相手の攻撃回数は減らせているが、リーサルまでの相手の攻撃回数は減らせていないのだ。

だからこそ、終盤でのダメージレースに入ったときに削りきられてしまったり、打点が足りないという事象が頻発していたのだ。

 

 

ヘイストによる時限の加速は、その時限が「発動すれば勝ち」のようなものでは有効であるのは以前間違いない。

しかし、ヘルヴィナのようなダメージレースの終着点であるものに関しては、中盤のダメージレースを放棄したヘイストは盾や回復の下位互換となりがちであることが理解できた。

 

というわけで、ヘイストをおもちゃ箱に戻し再度構築を練り直してみよう。

 

 

○3.調整

 

ヘルヴィナデッキを回していくつかわかった事がある。(耐久に絶対勝てないとか)

その中でもかなりクリティカルな課題が2つあった。耐久が無理のは課題ではない(無理なので)

 

ⅰ.中盤のダメージが不足しがち

ⅱ.特殊罠キツくない?ねえキツくない???

 

である。

 

ⅰ.中盤のダメージについて

 

7ターン時限を達成するために、デッキの半分以上が「守り」の駒で形成されている。

そのため中盤にダメージを稼ぐ駒が極端に少ない。

ヘイストの際にも述べたが、中盤のダメージレースの劣勢は終盤まで響いてくる。

いくらヘルヴィナのコンボがヴァイセでも20000近いHPを1ターンで吹き飛ばすのは不可能だ。

その為、少量でも良いので中盤のダメージソースを確保する必要がありそうだ。

 

ⅱ.特殊罠許さん

 

こっちが7ターンかけて発動させたライフバーストを1ターンの罠で跳ね返される理不尽。

罠回収としてメーティスやウラニアを試してみたが、都度サマーピリキナータに分からせられてきた。

 

 

ダメージを稼ぎたい、そして罠を対処したい。

方向性が違う課題に見えたが、なんと1枚でこの両方を解決してくれる駒が存在した。

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それがひな祭りエルピス(闘化)

 

このひなピス(愛称)。

ティターニアの下位互換と勘違いされているが、実はティターニアの4倍強い。

 

 

失礼。

少し言葉が足りなかったので説明しよう。

 

まず打点。

デッキ自体がロングゲームを見据えているため、全ダメージ満了の4ターンは比較的容易く達成できる。

デッキ構成上、リンクの達成も容易な為、打点はティターニアと同等と言っても良いだろう。

 

コンボスキルは固定ダメージとバフなので比較は難しい。

優劣がつかない程度にはどちらも有用であることは間違いない。

 

そして何より重要な要素。

それが「罠解除」。

 

ひな祭りエルピスは4ターンの間1000の特殊ダメージを与える。特にサマーピリキナータが解除できるのがポイントだ。

 

罠解除という観点で見た場合、解除時の被ダメージはティターニアの1/2である。

そして、解除できる期間はティターニアの倍もあるのだ。

 

 

つまり、罠解除においてはひなピスはティターニアの4倍の強さを誇るのである。

 

 

よって、ひなピスはティターニアの4倍強いのである。(Q.E.D)

 

 

 

そして完成したデッキがこれだ。

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S入れる枠なかったからB4にしてS6にした(狂気)

ひなピスがティターニア4枚分、実質コスト80なのでなんとでもなるはずだ。

あと、新駒のグノーもこっそり入ってる。

 

このデッキで複合杯(特殊ダメージマシマシ)を周回したハイライトがこちらだ。

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✌︎('ω') <楽しい

 

相手の猛攻を耐えて窮地からの一撃で刺し切る。

シュヴェインが発現した以降は守備的な駒すら高火力を誇り、相手の妨害をしながらライフを攻めれるためどんでん返しの逆転劇が数多く生まれた。

 

 

this is 「逆転オセロニア」。

 

 

先手を取って有利な状況を固定する、マウントポジションのような現在の環境に少し辟易した時、クソデッキで「逆転」の楽しさを思い出して欲しい。

 

 

そんなクソデッキをこれからも作っていきたい。(次回は先手マウントデッキです)

 

では、また次回のクソデッキでお会いしましょう。