常識にとらわれないデッキ構築講座〜vol.10「神"単"メフィスト」
ご無沙汰しております。
さにーです。
記事の執筆は久々ではあるが、オセロニアの環境はそれなりに追っているのでその点、心配は無用である。(勝てるとは言っていない)
さて。
GWの逆転祭にて3つ(4つ)の新スキルが追加されたのは記憶に新しいだろう。
天楔(神雷)、アビス、獄炎である。
特に獄炎は新たなアーキタイプを確立するほど強力であり、アビスも多大なアドバンテージを稼ぐ役割として魔デッキで活躍している。
天楔スキルはリリース当初、ゼウスしか存在しなかったため、真価が分からないままだったが、その後にリリースされた天雷の楔コレクションやストラクチャーセット『master of wedge』にて一気に数を増やし、デッキが作れるまでに至った。
今月の超駒も神雷スキルと、今運営に押されに押されまくってる天楔。
そんな天楔スキルの中で一際異彩を放つ駒がある。
それが今回の主役〈タクハタチヂヒメ〉だ。
手駒オーラから毎ターン継続して楔を増やすスキルを持つこの駒はデッキの要として、天楔デッキでは必須級の活躍を見せている。
しかし、私はこの駒に別の可能性を感じていた。
それは、第2の納涼メフィストとして運用できる可能性である。
「は?第2?シエンティアがいるだろ?」
「学園アズや夏ヒカキソもいるんだよなぁ…第2(第3)(第4)(第5)」
「てか、こいつ毎回既存駒の代替品探してきて実質○○とか言ってればいいと思ってね?」
…細かいツッコミは置いといて。(あと最後のやつぐうの音も出ない正論で草)
つまり天楔デッキ以外でもこの駒は運用出来ると考えたのだ。
もちろん、メフィストに比べると神単であることや序盤のダメージ不足がデメリットとなることは承知している。
しかし、暗黒やアンデッドに対処されないのは最近の暗黒の隆盛や獄炎の台頭を考えると軽視できないメリットではないだろうか。
さらに他のオーラ毒は魔駒である。
神駒である〈タクハタチヂヒメ〉は他の神単条件の強力な駒を使用できるメリットがあるのだ。
そんな訳で今回はこの〈タクハタチヂヒメ〉にスポットライトを当てていく。
○1.コンセプト
今回のコンセプトは単純だ。
〈タクハタチヂヒメ〉を納涼メフィストのように使った『神"単"メフィスト』である。
「は?メフィストいねーじゃん」
「性能的にはどちらかというとシエンティアだろ」
「まーた代替品商法かぁ…(呆れ)」
…今回はツッコミ要員が多い様だが気にせず進めていく。
コンセプト自体は単純だが、このデッキを作る上での最大の課題は「メフィストデッキの劣化にならないこと」だろう。
導入でも触れたが、差別化点は「①暗黒で止まらない」「②神駒である」事だろう。
①暗黒で止まらないのは単体性能なので、構築面で活かせる部分はほぼないが、仮想敵としては筆頭なので暗黒に強い構築を目指したいところだ。
そして②の神駒であること。
これが最大の差別化点で今回の構築の要となる部分だ。
神駒であることを最大限に活かし、メフィストデッキとは別の強みを見出すことがこのデッキが成立するかのカギを握っていそうだ。
○2.構築
まずは正直なところメフィストデッキの構成すら知らないので、某攻略サイトのテンプレ構築を参考に採用されている駒を確認していく。
「メフィストデッキのテンプレ知らない奴マジ?」
「夏シュクレ以外のパーツ適当に組んで5連敗したからって攻略サイト頼るのやめろ」
「パクる気満々で草」
…ちょうど良いところに賑やかしがいるので、彼らにデッキの中核であるよく使われるS駒を解説してもらおう。
まずは、唯一知っていた定番駒〈サマー・シュクレ〉。
「メフィストの女」
「実質HP7000のやべー奴」
「kawaii」
次に、〈闘化ヴィーナス〉。
「ダメージレースぶっ壊しお姉さん」
「強いよね。序盤中盤終盤隙がないよね。」
「kawaii」
そして、〈闘化トール〉。
「「「人権おじさん」」」
そう、魔デッキとして組まれることが多いメフィストデッキだが、実はメフィスト以外のS駒は神駒のみで構成されていることが多いようだ。(もちろん例外はあるが)
つまり、神単であることにより、大きくデッキが歪んだり、パワーが落ちることは無さそうだ。
では何故、S駒がほぼ神で構成されているのに、メフィストデッキは魔デッキで組まれるのか。
それはやはり優秀な魔A駒達の存在に他ならないだろう。
その中でも特筆すべきは安定したダメージソースでメフィストのサポートをする駒。
アルカード、リッチ、ハル、サマーブランジェッタの存在だ。
これらの優秀な魔駒達のダメージによって幅広いデッキと撃ち合うことが出来ているのだ。
このダメージソースを神単で実現することはできないだろうか…
私は駒箱とにらめっこをして神単におけるアルカード、リッチ、ハル、サマーブランジェッタを探した。
そして、長い年月(10分)をかけ、ようやくそれらの駒を発見する事に成功した。
「は?」
「まーたはじまったよ」
「どうせ劣化版でしょ」
…では見てもらおう。
まずこれが神単におけるアルカードである。
自身のHPを叩きつけ低HPデッキに負荷をかける様はまさにアルカード。多少の代償と引き換えに終盤でも強い性能とコンボでのプレッシャーを手にした。
神単故に採用できるという独自のメリットも活かせている。
「確かに」
「一理ある」
「超kawaii」
…珍しく納得頂けたようなので、次はリッチを見ていこう。
盤面端からダメージを与える姿はリッチそのもの。
序盤は弱いが、中盤以降はリッチ以上のダメージソースとなる。コンボもリッチとは対照的に後半ほど強いものとなっており、この点は一長一短だろう。
「微妙」
「弱そう」
「kawaii」
…まあ、流石にリッチが優秀すぎる為、ここは劣化に見えてしまうかもしれない。しかし、ある程度の仕事はしてくれるはずだ。
そして、メフィストが魔デッキにする理由でもあるハル。こちらも実は神駒に存在していた。
しかも…2枚も同時にだ。
イザベラは1600の特殊ダメージとコンボでの削りで実質ハルと同様に扱える。
ゲールノートはリンクが少し扱いづらいが、こちらもスキルで2000、コンボで2500と充分な打点を持っている。
「バフ入ってないデッキのイザベラのコンボは微妙だろ」
「ゲールノート初手にきたらキレそう」
「2枚も同時にだ、のネタ前回と被ってるぞ」
…ハルほど気軽に置けないため取り回しが難しいのが難点だが、削り性能としては近いものがあるはずだから目を瞑ろう(ハルが優秀すぎるのが悪い)
そして、最強の削り駒サマーブランジェッタ。
神単における代わりの駒はこいつだ。
3ターンで最大3000の削りやバフによるエンデガサポートはほぼサマーブランジェッタだろう。
流石に召喚駒のコンボによる制圧力は劣るがこちらは毎ターンダメージを与えるため無駄になりづらい。最強駒の代替としては悪くないだろう。
「こいつ強い」
「罠回収にも使えるのが優秀」
「サマーブランジェッタには及ばないがめちゃくちゃ強い」
…完全な代替とはいかないが、かなりの高性能駒だ。削り要員としては文句ないだろう。
ここに防御要員の、イシュケ、サマーハーピスト、シルヴィエ、アイドルアンナを加えればデッキの骨組みはほとんど完成だ。
「でも、これって結局メフィストの劣化じゃね」
「同意。メフィストでヨシ!」
「閉廷!解散!」
待て待て待てぇ〜い!(江戸っ子)
確かにここまで見るとメフィストの劣化に見えるかもしれない。
神単の強みも〈4周年メーティス〉くらいでしか活かせてない。
しかし---
実はここまでの駒達には魔法が掛かっているのだ。
最後のピースで、別の輝きを放つ魔法が。
このデッキをメフィストの劣化なんかじゃない。
「クソデッキ」へと昇華させるその駒こそ。
[癒しの清風]ラファエルである。
もうお気づきだろう。
掛けられていた魔法の正体に。
そう、実はここまでに登場した駒のほとんどが、
『蘇生によりスキルの再利用が可能な駒』なのだ!
ラファエルのスキル【奇跡を導く導魂の風】は1度返された駒を盤面に再び戻すというもの。
この際に「〜ターンの間」という記載のあるスキルを持つ駒が復活した場合は、なんと再度スキルが発動するのだ。
リリース当初はこの蘇生コンボが強烈過ぎると様々な波紋を呼び、スキルの如く旋風を巻き起こしたが、なかなか扱いが難しく、今やたまに神囁きに入っているのを見るくらいとなってしまった。
しかし今、そんな忘れ去られた蘇生コンボにより、魔駒の劣化と思われた神のA駒達は新たな輝きを放ち躍動するのだ。
ハルだったゲールノートはティターニアとなり、サマーブランジェッタだったシベリウスはアズリエルとなる。
基本パーツのイシュケやアンナも蘇生によりサマーシュクレや進化ティターニアに生まれ変わり、本家メフィストデッキよりも更に強力に使うことができる。
そして極め付けは闘化ヴィーナス。
想像してみて欲しい。
一手で勝利を引き寄せるこの駒をもう一度盤面に叩きつけるその光景を。
二度目のヴィーナスの降臨に驚き困惑する対戦相手の表情を。
ワクワクするじゃねぇかーーー。
そうだ、これだ。
これこそが「クソデッキ」の醍醐味なんだ。
さあ、「クソデッキ」進撃の時間だ。
○3.デッキ
ラファエルの蘇生によりメフィストデッキとは違った展開を作れるこのデッキはもはや『神単メフィスト』なんかじゃあない。
雷撃で攻め、蘇生でひっくり返す…
このデッキの名は…
『リザレクションボルト』だ!
「致命的にクソダサい」
「マジでセンスない」
「5分以上考えてこれしか出てこないの人間としての底が知れる」
…は?
いや、このデッキ名マジで超カッコいいから。
リザレクションボルト。
訳して『†蘇生の雷(いかづち)†』。最強。
あーゆーおーけー?
「よくその程度の説明の薄さで弁明する気になったな」
「メンタルが強過ぎる」
「ヒアソフィアでATK下がらなそう」
………デッキ名募集中。
○4.実践
何はともあれ、完成したこのデッキでシーズンマッチに潜ってみることにする。
お相手は暗黒竜。仮想敵のひとつなのでここは勝ち切りたいところ。
対戦よろしくお願いします。
一見まともに出せる駒が1枚しかない事故に見える初期ハンドだが、なんて事はない完全に事故ってる。
だが、幸いラファエルが打てることが確定しているためゲームプランは立てやすい。
エンデガを切りたい気持ちをグッと堪え、シルヴィエをラファエルで蘇生する動きを意識して初手にシルヴィエを打つ。
だが苦しい事に変わりはないので、次のトップで、ラファエルで蘇生できる他の駒を引き込みたいところ…
はい。神トップ。(完全運だけdreamer)
これで完全にゲームプランは定まった。
あとはきっちりとライフ管理と盤面を整理するだけだ。
エンデガを辺につけ、事故ってるアピールで相手を油断させたのち、一転攻勢のヴィーナスX展開。
お相手はヴィーナスを放置できないので、このターンか次のターンには返してくるはず。
お相手のD5に対してこちらはヴィーナスを返して欲しいのでA3にゲールノートで角を誘う。
しっかり雷撃による蓄積ダメージも入って相手を追い詰めていく。
暗黒は盤面端につけたい駒が多いため恐らく角を取ってくるはず…!
お相手はやはり角にジリアン!
…舞台は整った。
さぁ、ラファエルよ、見せてやろう。
神単のみに与えられた「奇跡」の力を。
そして、見返してやろう。
リリース当初は騒がれたが、ほとんど使われることの無かったこの環境を。
お前の巻き起こす『奇跡を導く導魂の風』は今…
雷を纏い嵐となるんだよなぁ!!
(分かりづらいけどダメージ+雷撃で7000ダメージ位出てます)
「決め台詞クッソダサいけどめちゃ強い」
「完全に犯罪でしょ」
「もう相手に勝ち目ない」
雷撃とあわせて7000ダメージ超の攻撃力。
盾とデバフによる鉄壁の守備力。
絶対避けられないコンボルートを複数作る制圧力。
神単だからなし得るラファエルによる超アドバンテージこそ、このデッキの真骨頂である。
最後はきっちりダブルコンボで締めてGood Game.
対戦ありがとうございました。
シーズンマッチではダイヤモンドマスターまでこのデッキで到達。
(対戦数少ないけど)そこそこの勝率を残せているので、デッキ自体はなかなかの出来に落ち着いたと思う。
ちなみに苦行コロシアムこと昇龍杯で、デッキ調整してたらいつの間にか100勝してた。
・今日の教訓
流石に100勝分デッキ調整すれば、(クソデッキだろうと)そこそこまともなデッキになる。
○5.あと語り
(本文が長くなってしまったのであと語りは短めに。)
今回のクソデッキいかがだっただろうか。
少しでも面白いと思ってくれた方は、チャンネル登録も高評価もしなくて良いので、是非君の手でクソデッキを作ってみてくれ!
いつかみんなのクソデッキと戦える事を楽しみにしている。
2020.06.17追記:
なんと、このクソデッキをGame8様のトッププレイヤーのデッキに掲載頂きました!!(驚愕)
▼伝説の記事はこちら(必見)
https://game8.jp/othellonia/339331
本記事で触れていた攻略サイトも実はGame8様だったのだ。
この時は、まさか自分のデッキが載るとは全く想像もできなかったぜ…
しかも錚々たるメンツの中、トッププレイヤーのデッキとして紹介頂いたのだ!
「重くないか?その称号」
「怪文書を書くだけでトッププレイヤーになった男」
「なんだこのおっさん!?(読者感想)」
…とはいえこれまでもこれからもやる事は変わらない。
今まで通り、クソデッキを作るだけだ。
2020.06.19追記
な、なんとー!
あのゲーム実況者、「Mappy会長」様のyoutubeチャンネルにてリザレクションボルトが紹介されました!!
▼伝説の動画はこちら(必見)
「プレイングクソうまい」
「ダメージ計算が適切」
「相手の手駒透けてるレベルの読みやばい」
…トップランカーの使うトップメタデッキをなぎ倒していくクソデッキとかいう夢のような光景をありがとう(昇天)
Game8様に続いてこんな事が起こるとは何がなんだかわからない(混乱)
おかげ様でクソデッキがたくさんの人の目に触れて少なくない反響を頂いている。
このデッキを面白い!組んでみたい!もっとこうした方がいい!と思った貴方…
ようこそ「クソデッキ」の世界へ。
クソデッキはこれだけじゃない。
もっと魅力的なクソデッキが我々を待ってるはずだ。
それではまた次のクソデッキでお会いしましょう。