常識にとらわれないデッキ構築講座〜vol.08「真・不可避のコンボスキル」
前回、最強のコンボ「不可避のコンボスキル」としてヘルヴィナにスポットを当ててデッキを組んだ。その最後に、次回は先手マウントデッキを組むと書いた。
それが、2019年3月の事だ。(今は2019年8月だ。どれだけサボっていたかがわかる)
しかし、記事がアップされた1ヶ月後にある駒が実装され、事情が変わる。
その駒とは、
闘化セツナである。
この闘化セツナ、ヘルヴィナと同じく「不可避のコンボスキル」である時限召喚を持つ。
そしてヘルヴィナと比較すると盾によるダメージカットは無いものの、コンボ打点に安定性が高く、何より発動ターンが4ターンと圧倒的に短い。
4000の固定ダメージというのはライフレースを大きく揺るがす。
かつてこのシリーズではクオンのコンボスキルの強力さに着目し、他の召喚と組み合わせる事でクオンの位置を固定し、コンボを狙うデッキも組んだ程そのポテンシャルには以前から注目していた。(常識にとらわれないデッキ構築講座〜vol.05「セツピス定石」参照)
不可避のコンボスキル、そしてセツナとクオン…
この符合は偶然だろうか…
否!
「オセロニア運営!きさま!見ているな!」(※多分見ていません)
あまり注目されていなかったが、ポテンシャルの高さに目をつけ、使い方を見出した駒達がそのコンセプトを引き継いで、更なる進化を遂げ実装されたのだ。
これはもうクソデッキシリーズが闘化セツナを作ったと言っても過言ではあるまい(※過言です)
兎にも角にも、クソデッキシリーズの集大成とも言える駒が実装されたのだ。
デッキを組むしかない。
○1.コンセプト
さて、前回ヘルヴィナの時限を発動するためにヘイストではなく、盾や回復を使用してターンを稼いでいた。
同コンセプトのセツナにおいても流用が可能と思い、ヘルヴィナをセツナに差し替えてデッキが完成した【完】
(デッキ名までそのまま使い回す暴挙)
しかし、このデッキを使ってみて合理的な思考を持つ、一流の(クソ)デッキビルダーである私はこんなことを思った。
「あー新しく強い駒ゲットしたからこれ見よがしに見せびらかしてえな」と。
そう、クズである。
その結果、前回までのデッキの変遷を全て無視し、新しくゲットした「闘化シュクレ」をデッキに編成。
「なんか折角シュクレ2体いる事だしコンセプトも合ってるから」という理由でA駒シュクレも編成。
半端なコスト5は「可愛いから」という理由でヒカゲちゃんを投入。
「集大成ではなく醜態を晒しているのでは?」
という、読者のツッコミを華麗に受け流し、細かな調整(主にデッキ名)を加えて、セツナデッキ「ゴッドバード」が完成した。
◯2.調整
このデッキ、流石と言うべきか意外と言うべきかそこそこの強さを見せてくれた。
とにかく不可避のクオンを強引に繋げば相手のライフがみるみる溶けていく。
その決定力が今のオセロニアでも通用することを証明してくれた。
しかしこのデッキには大きな弱点があった。
セツナ、いやヘルヴィナから続く不可避のコンボスキルデッキだが、その不可避性に大きな見落としがあることが分かった。
それは、「コンボルートが空いていればコンボが繋げるわけじゃない」という事。
どういう意味か分からないと思うので具体的に書くと、
「セツナの発動に合わせて罠置かれるとコンボ繋げねーよクソが!なんだこれクソデッキか!?おぉん!???」
という事である。
前回はひな祭りエルピスで罠に対処していたが、シュヴェインと違い盾性能が無いクオンは相手が喜んで返してくるため、1ターン待つという選択が悪手となるケースが多い。
あと、冒頭の理由でひな祭りエルピスに代えてシュクレ使ってるからそもそも罠が防げないのだ。(自業自得)
しかし、相手がセツナに合わせて罠を打ってくるのは自明の理。
それに対応できずに負けるのは流石にデッキと呼べるシロモノでは無い。
特殊ダメージに貫通はない。
イヴェットを置かれたら為すすべもなく立ちつくすしかないのだろうか…?
その時、私は尊敬する人物の言葉を思い出した。
「このカードが『A』を持ったら最強だから、『A』を持たせるデッキを作ればいい。」(byまつがん氏)
そうだ。
セツナ(クオン)に特殊貫通を持たせればいいのだ。
特殊貫通なんてねえだろ!
賢明な読者ならこう反応するだろう。
しかし、確かに特殊貫通は「ある」。
もちろんご存知の通り、スキルには特殊貫通と買いてある駒は存在しない。
だが、特殊ダメージが罠に反射されなくすることはできる。
それを可能にする駒が、この駒だ。
恐らく多くのプレイヤーが売却した覚えはあれど、編成した覚えはないであろう香蘭である。
香蘭は相手の盤面の罠スキルを1つ無効化する『罠解除』スキルを持つ。
クオンとコンボしながら、罠解除によって特殊罠を解除すれば、実質的な特殊貫通となる。
これにより、完全なる「不可避のコンボスキル」が実現するのだ。
しかし、「香蘭?流石に弱いでしょ…」
そう思う人も多いはずだ。
香蘭は普通にデッキを組んでいたらまず入る事のない駒である。実戦で使われていることはあまり見たことない。
現代はインターネットやSNSの普及により集合知としてデッキはより洗練され、強い駒・弱い駒がはっきり区別されてくる。
その実、香蘭は紛れもなく「弱い駒」だ。
だが、こいつにしかできない「仕事」がある。
こいつにしか作れない「勝ち筋」がある。
そしてその「仕事」を必要としてるデッキがある。
これこそが香蘭がここにいる理由だ。
不可避のコンボスキル。
最後のピースは、新スキルや新駒ではなくずっと前から駒箱にいた香蘭だったのだ。
◯3.変遷
セツナ&クオンの「不可避のコンボスキル」が香蘭の罠解除により新たなステージへと到達。
あとは、このコンセプトを勝利へと繋げるのみだ。
クオンの平均与ダメージは体感では8000。
クオンは最優先で対処される為、2回程度なら強引にコンボを繋げる事は出来るが、3回以上まではコンボ出来ないことが多い。
フィニッシャーでクオンに繋いだとして与えられるダメージはおよそ15000程度。
つまり、残りの10000ほどのダメージは別の駒で与えなければならない。
これは、時限を持つセツナデッキにとっては二律背反の問題であり、打点を出そうとすると時限を経過させる為の守備駒が少なくなる。
守備駒を入れすぎると削りが足りなくなってしまう。
守りながら攻められる駒があれば…
いや、あるやんけ。
吸収だ。
吸収はまさに『守りながら攻める』を体現した駒だ。
更に魔にはルキア、アヌビス、グノーの妨害に擬似的な防御駒である罠も存在している。
「セツナデッキ=神」の固定観念に囚われていたが、実は魔駒にこそセツナと相性が良い駒が多く存在していたのだ。
そして魔駒を多くすることで、ハルを使用可能になり安定したダメージソースも獲得。
セツナをリーダーに据え、吸収でライフ差を付けながら、妨害を駆使してクオンを召喚。
そして不可避のコンボスキルと神駒のフィニッシャーで一気に畳み掛ける…
「ゴッドバード」改め、セツナ【魔】デッキ「ダークバード」、ここに完成である。
◯4.編成
では、クソデッキの集大成とも言えるダークバードのリストを見ていこう。
・セツナ
デッキの核。
不可避のコンボスキルの最終到達点。
・オルプネー、クイナ、心核
時間稼ぎと削りを両立させる要。
コンボも汎用的なのでプレッシャーになるのもポイント。
・ヴィクトリア、エンデガ、ヴァイセ
フィニッシャー兼削り役。
エンデガヴィクトリアはクオン対処された後のコンボ要員としても重要。
・グノー、アヌビス、ルキア
妨害要員。最終的にクオンにコンボ繋ぐ時に盤面を完全に捨てることが多いのでこの辺の駒はかなり重要な意味を持つ。
・ティターニア、ハル、ミサト
追加の削り要員。アルカードやリッチでも良いが発動条件がある駒はクオンの着火に向かないので今回はハルとミサト。
ティターニア?強いよね。序盤中盤終盤隙がないと思うよ。
・香蘭
最後のピース。
不可避のコンボスキルが不可避たる所以を見せてやる。
B駒は魔駒で発動条件緩めならなんでもいいです。個人的にはコンボルートに刺しとけるヴォルメラーがオススメ。
◯5.実践
さて、この記事がセツナ実装から4ヶ月も後になったのには色々理由がある。(主にやる気だが)
その理由の1つがクラスマッチで1ヶ月使い続けたらどこまでやれるのかを確認したかったからだ。(そのほかの理由はやる気だ)
そしてこれが、クソデッキシリーズの意地だ!!
神デッキは「ゴッドバード」を試行錯誤していた時の戦績。
魔デッキは全て「ダークバード」での戦績。
あらゆる補正の中、ダイヤモンドクラスで1ヶ月間セツナを使い続けた結果、50%以上の勝率を残し、ダイヤモンドマスターにも到達できた。
乗り手に致命的な欠陥を抱えてこの戦績だ。
間違いなくダークバードは、強い。
クソデッキを作り続けて1年以上。
ここまで強いデッキを作れたことに素直に驚いている。
このダークバードの強さはひとえに「未知であること」であると思っている。
クオンの不可避コンボによる超火力や香蘭の罠解除など、予想出来ない動きが相手のゲームプランを大きく崩し、そこにつけ入り一気に攻め立て、相手が訳分からんうちに勝ちきる。
いわばダークバードは「心理的ビートダウンデッキ」なのだ(←??????????)
裏を返せば、ダークバードの狙いや香蘭の存在が知れ渡ってしまえば、たちまちその強さは半減する。
故にこのブログが伸びないことを祈るばかりだ。
◯6.まとめ
今回、クラスマッチで様々な環境デッキと対面し、環境デッキの強さ、完成度の高さを痛感させられた。
ベルゼブブ、ファヌエル、フェリヤには何度も苦渋を舐めされられた。
しかし、今までで一番楽しいクラスマッチの日々だった。
自分で考えたオリジナルデッキが、環境デッキと互角に渡りあい、その実力を知らしめることが出来たのだ。
デッキビルダーにとってこんなに嬉しい事はない。
オセロニアには色々な変革が起ころうとしている。この先どのような環境になっていくかはわからない。
だが、これからもクソデッキを作り続けていく事に変わりはない。
また次のクソデッキでお会いしましょう。